父を想う
3年前の彼岸に父は逝った 母が入院して10ヶ月
亡くなる3日前 母に会った帰り道「これが最後やな」といい
弱音を吐いたことのない父が その日は買い物に付いて行って欲しいと・・・
夫と私の3人で 馴染みの八百屋 惣菜店 肉屋と回った
家に着き「部屋まで持っていこうか?」という私に
「一人で大丈夫や」と笑顔で手を振る父
私たちの姿が見えなくなるまで ずっと手を振っていた
それが父を見た最後 そうなることは何となく分かっていた気がする
父は 娘は嫁に出したもの 世話にはなれないと考えていたようで
母の介護だけで大変なのに 自分まで迷惑をかけては
娘(私のこと)がかわいそうと 一人で頑張っていた
亡くなる少し前「なぁ~○○子 いつまで生きるんかなぁ~」と父
私「お迎えが来ないと死ねないのよ」
「生きるの もう堪能したわ・・・」と笑顔でいった
「うん そうやなぁ~」私も笑った
一人暮らしの父が心配で 夕方にどちらかが電話をすることに決めていた
ほんの5分ほど話すだけだったけど 父は楽しみだったみたい
3年前の今ごろ 私は忙しく電話をするのを忘れていて
ふと気がつくと3日も連絡が無い 急いで電話すると呼び出し音がなるだけ
父が出てこない
あぁ~ もう父はいない。。。 実家に向かう車の中で父の死を確信した
実家につくと 父は座椅子にもたれたまま静かに眠っていた
手にはボールペン テーブルには缶ビールが
本当に安らかな死 「よくがんばったねお父ちゃん」
今日 母のホームへ会いに行くと「お父ちゃんに挨拶した?」という
母の中に 父は生き続けているんだね
ヤブランがひっそり咲いていました
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